最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

ベイビー・ブローカー 評価・感想・レビュー ★★★★★

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是枝監督が撮り続ける家族シリーズの新たな一章。
海街diaryが、家族と姉妹。そして父になるが、家族と血縁。万引き家族が、家族と貧困(経済)にフォーカスした作品だとすれば、この作品は、家族と出生、が焦点でしょうか。
言い換えると、家族になるべきではなかった命、生まれてくるべきでなかった赤ちゃんは存在するのか?という話かと思いました。
様々な異形の家族を作り出し、家族とは何かをとことん問いかける是枝作品の真骨頂かと感じました。
また韓国の名優たちが演じることで、とても明るいエンターテイメント作品に仕上がっていたことも印象的でした。
ただ、是枝作品お馴染みの不満もあります。
やはり結末に向かうストーリー構築はやや雑かと。
ソン・ガンホさん演じるサンヒョンさんの結末含め、顛末がいまいち分かりにくい。

きっと新たに家族となりたかった人たちの為に自らが犠牲になるという真に父親的な行動をしたため、姿を消したみたいな物語があったのだと思うのですが、あの尺、あの扱いでは伝わり切らないかと。そこが残念。
生まれてきてくれてありがとう、という主題まで行き着いたら、後はもういい、みたいな割り切りを感じます、、
是枝作品と言えども尺の制限はきついのでしょうか?
サンヒョンさん視点のストーリーが、もう少し丁寧に描かれていれば(なんで借金があるのか?とか借金と離婚の関係とか)主題の背景に家族があることがより浮かんできて、ストーリーが重厚さを増すのでは、と思いました。
ただその追加には10分ぐらいの尺が余分に必要になってしまうから諦めたのでしょうか?それとも、見た人に想像し考える余地を残すという高度な判断なのか。
キャストなど制作体制の豪華さを考えると、予算とかスケジュールの要素は考えにくい気もします。
やっぱり2時間を目指して制作し、130分と既に10分押してしまったから後10分の追加は断念、みたいな尺の都合でしょうか?
主題以外の構築が急に恐ろしく駆け足なるのは何故なのか、いつか是枝さんに直接聞いてみたいものです。