最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

三度目の殺人 評価 感想 レビュー ★★★★★

f:id:gyaro311:20170913132157j:image

誰を裁くのかは、誰が決めるのか?

この映画の最大のテーマであり、

その答えは、怖いものだ。

考えれば考えるほど人ごとではなく、怖いものだ。

人には本当に、人を裁く資格を持ち得るのだろうか?

 

役所広司さんは「器」のような役者さんだ。

自らを滅することで、誰にでもなる。

今回は「三隅」という一人の人物の中に、

殺人鬼と、聖人、そしてただの凡人という

三人の人物を同居させることに成功している。

心の片隅から、

それぞれの側面が浮かび上がってくるような

素晴らしい演技だ。

 

そして監督はもう一つ、仕掛けていたのでは。

それは、答えは一つということだ。

事実だけを積み上げたらどうなるか。

事実だけを求めて矛盾を解けば

行き着く所は一つなのでは。

物証が示す事実だけを見つめ、

行動の合理性から外れる供述を省き、

人を殺めるだけの動機はなかなか無いという

原則に立ち戻るだけだ。

 

でも、それは難しいのだ。

大小様々な人の思惑は、

事実をどんどんどんどん曇らせていくのだ。

 

人間というはっきりしないもの。

割り切れないものを真正面から描いた名作かと!