最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

幼な子われらに生まれ 評価 感想 レビュー ★★★★★★

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 『理由は聞くけど、気持ちは聞かない』

40代で小学生の娘を持つ身として、

そして、タバコがやめられない喫煙者としても

徹頭徹尾、身につまされる映画でした。

そして、本当に素晴らしい映画でした。

『淵に立つ』が受け入れられなかった私にとって、

それ以来の浅野忠信さんでしたが、

私にとっては、これぞ“怪演”!

日常生活に潜む複雑さと危うさを、

リアルに表現していた。

日常を保とうとする、田中麗奈さんも好演!

宮藤官九郎さんも怪演!

一瞬にして、全てを理解させる寺島しのぶさんも、

素晴らしかった。

三人の「娘」たちも複雑な心情を表現していて、

かつ、リアルだった。

 

心情を暗喩する、様々な道の車窓。

天気の変化。

淡々としたリズム重視の音楽。

心情が決定的に変化する時の役者の表情と、

ノイズを完全にサイレントにする音効も、

非常に効果的だった。

 

原作、脚本、アドリブ会話、

きっちり撮る絵と、流れに任せる絵。

全てが高い次元で調和して、

二度と撮れないレベルまで高められていた。

 

そして、家族でいることの意味を描いていた。

日本の家族の今を切り取った、

三島有紀子監督の手腕に脱帽です。