最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

カモン カモン 評価 感想 レビュー ★★★★★

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ドライブ・マイ・カーを見た後の感じと近いのですが、言葉を見せる為の映画。言葉を際立たせる為の映像。
私はこれまで、セリフではなく、主人公らのアクション、行動で“語る“のが、映画や脚本の醍醐味かと考えてきましたが、最近では本作のように、言葉を見せることを主眼に置いた映画が増えた気がします。
もちろん伝統的な映画でもフランス映画はセリフが長く、言い回しも文学的だったりしましたし、映画は映像と音で構成されるわけですから、どちらかの要素しかないわけですが、それでも本作は音、言葉が主役の映画なんだろうなと思うわけです。ドライブ・マイ・カーを見た後も、まず「観る小説」だと感じました。
本作も、ドライブ・マイ・カーも素晴らしい演出演技があり、構成があり、ロケがあるため、映画に見入り、感情移入できるのですが、個人的にはシーンと言葉の主役交代が起きているという感想が強まっています。
インターネット上に動画が溢れる今は、想像の余地を残した言葉の価値が向上するのでしょうか?多くの子供の言葉を収録するラジオジャーナリストという設定を考えると、マイク・ミルズ監督はやはり充分意識的に、“言葉"を見せる映画を作ったと考えるのが自然なのかもしれません。子供達のおそらく生の言葉は、エンドロールの最後まで溢れ出ていましたし。