他の映画を見ようと思っていたのですが、
スケジュール的に見れなくなってしまい、
レビューサイトの評価が総じて高かった、
この映画を鑑賞することにしました。
映画は、息をのむような映像の美しさ。
都会と田舎が交互に、対極的に出てきて、
それぞれが本当に美しいと感じました。
既に芸術の域だと思います。
シナリオも、説明し過ぎずに、
観客にどうなってるんだろう?と思わせながら、
ストーリーが動いていくので、考え過ぎずに、
感情移入していくことができます。
凄く良いシナリオだと思いました。
ただ、個人的にはいくつか違和感も…
一つは歌。
この映画のためにつくられた歌でしょうし、
いわゆる日本のアニメ的な表現としても、
受け入れられている手法なんだろう、と思うのですが、
個人的には、やはり気持ちが昂ってきそうな時に、
歌に先行されて、煽られると、どうしても覚めてしまいます。
まして歌詞付きだと、更に見ている側の思いを規定されてしまう気がして…
ただ、こういう音楽の使い方も含めて、
多くの人に受け入れられているのだとも思います。
もう一点は、シナリオ的にですが、
あの二人が、最初に繋がった理由は、
あまり重視されていなかったことが、
少しだけ気になりました。
映画の冒頭で、遅れてきた人が横切ったりして、
集中できなかったから、尚更かもしれませんが・・・
2人を結ぶ「紐」は、2人が交錯した結果なので、
2人が交錯したきっかけは、やはり
『来世は都会のイケメンにしてください!』という
三葉の願い、ということになります。
なぜ、その相手が瀧だったのか・・・ということは、
よくわからないままだったので、
三葉が神社の娘で、巫女もやっている娘なので、
そういうことも起こり得るんだ!と納得するしかないかなと。
おそらく監督は、敢えてそこには重きを置かず、
観客の多くも、そこは求めていないんだろうな・・・と思いますが、
個人的には、父しか出てこない、瀧の家族設定など、
もう少しだけ説明してほしいな、なんて思ってしまいました。
でも、まぁ偶然結ばれ、その「結い」が次の大展開や、
愛を生んだ、ということで良いのでしょう!きっと。
もう一つ、
最後に、瀧と三葉が、運命の再会を果たすのですが、
もし、日常よくある既視感、デジャブとか、
説明がつかない「結びつき」みたいなものをテーマにした作品であるならば、
三葉と瀧は、再会しなくて良いんだろうな・・・とも思いました。
その方が、「結い」のストーリ―がリアルになるかと・・・
ただ、再会の一連のシーンは、
東京の日常の中で、凄くハッとさせられる見せ場でしたし、
この映画を、この映画たらしめている一連のシーンでしたので、
やはり不可欠なものだったと思います。
観客のほとんどの方も、2人が再会できることを祈っていたでしょうし。
美しい映像、盛り上がる音楽、
良くできていて、かつ受け入れやすいストーリーを突き詰めて、
ビジネス的な成功も考え抜くことが、
娯楽が多様化する中で、ヒット映画を生み出すためには、必要不可欠なのだ…と感じました。