とにかくセリフがない。
全編ロケの美しさ。
そして、映画は監督のものなのだと思い知らされる映画。
自然と寄り添う、伝統的な暮らしの中の、紛争を描いている。
ここでは、足りないものを探して、集めて、つくることが暮らしであり、仕事だ。
それを黙々とこなす老人と、両親を亡くした思春期の少女に訪れる変化が、あくまで映画の主題。
その主題の傍らに、脇役としての紛争があり、暮らしを少しずつ脅かす。
暮らしと紛争の主従関係が冷徹なまでに貫かれていることが、人間への愛を際立たせ、
裏返しで、戦争が如何に無益な行為であるかを静かに主張する。
この映画で、人間の命は、軽くて、重い。
大自然の美しさと、
ジョージアの村で発掘された、演技経験の無い美しい少女の成長を見ながら、
何だかとても切なくなる映画です。
しかし、老人が中州の島で、最初に発見して、
胸のポケットにしまい続けたモノは何だったのだろう…
ご覧になり、分かった方は、教えてください!