「むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく」
井上ひさしさんのこの言葉が、
全ての表現、作品、とりわけ
エンターテイメント作品に通じる背景には、
「本当のことを言わないのが大人」という
世界に共通するルールがあると思う。
皆が社会のルールを受け入れた風になり、
何が事実かということより、
その状況で、どう振る舞う方が得で、
社会に適合できるかを考えるようになる。
何が事実かは置き去りにされ、
人を困らせてまで、本当のことを言うことは、
もはや、PK=酔っ払いの特権となってしまうのだ。
だから、大人の嘘をわかりやすく指摘することは、
笑いの源泉であり、
それ自体がエンターテイメントだ。
誰もが分かるかたちで、
社会の大嘘を暴くこの映画は、
極上のエンターテイメントです!
撮影も、シナリオも一級品。
主演女優の、アヌシュカ・シャルマさん、
PKを演じたアーミル・カーンさんの輝きには、
圧倒されます。
150分があっという間で、メジャーリーグで
トップ争いしている作品だと思いました。
さんざん笑った後に、
「神はただ信じるもので、
人が神を守ろうとするから間違いが起こる」
という言葉を聞いた時には、
今度は、涙を抑えることができませんでした。
本当におすすめの、
ド級のエンターテイメント大作です。
実はまだラージクマール・ヒラニ監督の
代表作『きっと、うまくいく』を見てないので、
ビデオの日に借りる作品が決まりました!