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最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

チリの闘い 評価 レビュー 感想 ★★★★★★

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 9.11に三部作4時間23分!
一気に観てきました!  

因みに日曜朝からユーロスペース

この行列。満席&立ち見ありでした。

 

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正直、疲れました。

鑑賞終えて真っ先に浮かんだのは、

毛沢東の「政権は銃口から生まれる」
という、あの一言。

北朝鮮の「先軍政治」も然りですが、
今も“社会主義共産主義”を掲げ続けている国は
内戦や戦争、冷戦を生き残るために、
社会主義の理屈を都合よく利用し、
独裁の正当性として「社会主義国」を標榜し続けるしかない国ばかり。

そんなパワーゲームの結果としての
社会主義国」の国々と比べると、
武力に頼らず“真面目に”、つまり民主的に社会主義に取り組んだチリの革命。
その末路は世界の現実を如実示していて、40年経った今も、真理であり続けていると思う。

民主的な社会主義革命に取り組んだチリの労働者階級は、
アメリカや既得権益層の戦略に徐々に追い詰められ、結局は武力行使が必要という考えに行き着きます。
それを最後までやらずに(やれなかった?)悲惨な最期を迎えたアジェンデ大統領は、英雄的だが、敗北者となった。

結局、最後は武力…
1部と2部でチリの闘いの現実を描き切ったグスマン監督だが、
再び3部として、目指すべき社会を知った時の労働者階級の眼の輝き、信じる者の強さ、創造性の発露にスポットライトを当てた作品を制作する。
1部2部では使わなかった音楽が当てられている部分を見れば、グスマン監督が何を言いたいのかは明快だ。

取材の過程でカメラマンが銃弾に倒れ、人民の理想は打ち破られることを肌身で味わい尽くしたはずの監督が、
それでもこの作品の最後を、理想と創造性の発現で締めくくった。
それはどんなパワーも、人の理想や創造性を屈服させることはできない、という、もう一つの真実を切り取っている。
グスマン監督が見たチリの闘いにおける重要な結論は、市民の可能性を確認したことにあり、それを世界に示したかったのだと、思った。
そんな映画監督としての反骨に、心を強く揺さぶられた。これぞドキュメンタリーであり、映画であり、映画監督だと思った。

制作態勢や、カメラや編集のテクノロジーが今とは違い過ぎるので、一概には言えないが、
街録やインタビューの撮影の仕方、浮気ありきの撮影、焦点のボケ具合は、
作り手側の目線で言えばカメラマンを激怒するレベル。

一個一個のインタビューを最初から最後まで入れることは、時に見る人の気持ちを遠のかせ、ストーリーを複雑にする。

人や映画の進化を信じるから、敢えて初の七つ星にはしませんが、三部作の中で、技法もどんどん洗練されていた。

そして何より、取材のテーマ。現場。撮る情熱と伝える情熱。命まで懸けた素材は、今の映画で見ることはほとんど不可能だ。

社会主義革命がテーマだから?か、遅すぎる歴史的大作の日本上映。ぜひこの機会に、映画館で世界の現実を目撃することをオススメします。