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最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

マダム・フローレンス!夢見るふたり 評価 感想 レビュー ★★★

機内で鑑賞。

愛と打算、打算と愛の物語か。

資産家で芸術活動のパトロンである

マダム・フローレンス。

夫のシンクレアも、伴奏者となったコズメも、

それぞれ、打算があってフローレンスに近づいた。

音痴だが歌を愛するフローレンスが、

その夢を叶えられるように二人は全力を尽くす。

打算の上の関係だが、フローレンスのことを

慮る気持ちに嘘はない。

この映画は、極端な例だけど、

人間関係って、多かれ少なかれ、

こういう二面性があるものだと思った。

愛も、打算も真実だが、

どちらか一つで語り切ることはできない。

片方だけを盲信すれば裏切りに見えるかもしれない。

音痴なフローレンスの歌に観客は喝采し、

そのレコードは飛ぶように売れた。

嘲笑している面もあるが、それだけでは、

売れた事実を説明できない。

世の中はかくも複雑であり、

ポジティブに捉えるか、ネガテイブに捉えるか、

その違いだけだと思った。

そのどちらも正しく、どちらも完全ではないだけだ。

 

マグニフィセント・セブン 評価 感想 レビュー ★★

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「先行」に負けて機内で見てしまいましたが、
観るなら間違いなく映画館で観るべき映画…

ただ個人的には『七人の侍』や『荒野の七人』を
超える要素は特に感じられず。
デンゼル・ワシントンの、
無駄な動きがない銃さばきが、
カッコイイ!こだわりを感じる!
と思ったぐらいだったので、
機内で見るのに、ちょうど良かったかも、
とも思ってしまいました。

映画館で観たら、もう少しましな感想が
言えたかもしれませんが…

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 評価 感想 レビュー ★★★★

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遅ればせながら機内で鑑賞。

ブリジット・ジョーンズの日記シリーズを観るのは、

実は今作が初めて。

なので、ちゃんと理解できているか分かりませんが、

描かれているテーマは、ブリジット・ジョーンズの

“ナルシシズムとのお別れ”かと。

 

ブリジット・ジョーンズの職場での会話は、

ナルシシズム=自己愛が、

これでもか、とばかりに充満している。

このナルシシズムとフェミニズムの融合した

世界観こそが、

今シリーズ最大の特徴なのだろうと容易に想像がつく。

 

しかし、そのブリジット・ジョーンズも既に43歳。

初めて?子供を身籠もる。

ナルシストでフェミニンな

ブリジット・ジョーンズの欲求を満たしてくれる

米国男性と

そういう寛容さを持たない保守的英国元彼の、

どちらの子供か分からない。

二人の男性の間で揺れる最後?の

ブリジットの恋愛模様を描いている。

 

去年、英国は懐古主義の台頭もあり、

EU離脱を決めた。

自由と寛容さをウリにしてきた米国さえも、

トランプ氏が大統領選に勝利。

世界は再び、個を抑制し、国家が前面に出る

時代に突入したように思える。

 

では、これまでの人生で、

おそらく史上究極の「個人主義の時代」の

恋愛を謳歌してきたであろうブリジットは、

自分とは異なる命を、その身に宿した今、

更なる自由と保守、どちらを選択するのか?

そして、親の都合通りには生まれない子供は、

果たしてどちらの男性の子供なのか?

 

大袈裟かもしれないけど、

第二次世界大戦後の欧米社会が、

反戦と平和の誓いのもとに、行ってきた

個人主義の壮大な実験が、

行き着く所まで来た先に、何があったのか、

その総決算の映画だと考えれば、

非常に今という時代にマッチした感覚を

感じ取ることができる映画だと思いました。

 

ぜひシリーズ全作を見て、

時代の変遷を感じてみたいです。

ニーゼと光のアトリエ 評価 感想 レビュー ★★★★★

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社会性と個性の関係性を、

この上ない形で、世に示した傑作。

個の精神の健全性を脅かすのは、常に社会であり、

精神の傷を癒やせるのも、また社会だけだ。

 

統合失調症の患者は、他者との関わりの中で、

何らかの傷を負い、心を閉ざす。

その方法は、自らの発信能力を消滅させ、

コミュニケーション網から隔絶されること。

彼らは傷つきやすい心をこれ以上、

侵されたら耐えられないと無意識に判断し、

致命傷を避けるために、

他者との接点である言語性を

放棄している可能性が高いのだ。

 

つまり、

心が壊れてしまったかのように見える彼らは、

実は、壊れてしまいそうな心を、

他者から閉ざすことで

守っている可能性が高いのだ。

脳に対する外科的処置などは、

そんな彼らに対するトドメの一撃であり、

治療とは正反対の攻撃だ。

 

患者に必要な「治療」とは

心がこれ以上、侵されることはない、

心は守られる、という絶対的な安心を

与えられることであり、

コミュニケーションしよう!という

他者からの継続的な問いかけを受けること。

 

そして思考力、言語性を回復させながら、

自らの心が壊滅的な危機にはないと

自ら納得するための心の整理が必要だし、

自分の気持ちが他者にも見えることに

再び慣れるための訓練も必要だ。

 

それが、絵を描くことだったのだ。

 

映画の中の、最後の「叫び」が印象的だ。

社会は強者や多数派の論理を

「ルール」として押し付けがちだ。

それによって個が抑圧されることは、

精神病の範疇の話ではなく、大なり小なり、

毎日のように繰り返されている。

 

ニーゼは

「人生には一万通りの道がある」と言った。

それを受け入れられる秩序を

どのようにつくるか?という大命題は

いまの社会にも変わらずに存在し続けている。

【レンタル】ルーム 評価 感想 レビュー ★★★★★

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生まれることは素晴らしく、

生きていることは素晴らしい。

それを「人間の尊厳」と呼ぶ・・・

この映画は、そんな根源的な問いを、

観ている人に真剣に考えさせてしまう。

 

それも、全く思わぬ角度から。

そして、とても難しい角度から。

 

「ルーム」はママからすれば、忌々しい場所。

本来あるべきだった人生をぶち壊した場所。

それでも、息子のジャックを

唯一の希望として、生き抜いてきた。

 

「ルーム」で生まれたジャックは、

5歳になるまで、そこだけで楽しさを探し、

人生のメッセージを探してきた。

母だけと接して、生き続けてきた。

 

それは、不幸としか言いようのないこと。

絶対に受け入れ難いことだが、

それでも「生まれた」こと.

そして「生き抜く」こと自体を

肯定しない限り、次には進めない・・・

「ルーム」が人生の一部であることを

どうしても、受け入れなければいけないのだ。

 

その時、そこで生まれたジャックには、

受け入れる以外の選択肢がない。

一方で、母はその事実を

能動的に、選択的に、

受け入れなければならない。

母と子は、お互いを唯一の

拠り所としているが、

実は、立場が真逆であることが、

この脚本の厳しさであり、凄みだ。

 

人はどんなに不運でも、失敗しても、

絶望せずにまた、生きる希望を

見出すことができるだろうか。

 

そして人は、

希望を持つことで、生き抜こうとする

全ての他人を、無条件に、

肯定することができるだろうか。

 

この映画は、極限の想定から

生きる意味を問いかけてきます。

 

映像的には、ジャック目線に

切り替わる所が非常に印象的で、

映像に緊迫感を与え、

ジャックの心の揺れを描いていました。

 

母と子を演じた役者がまた素晴らしい!

ママを演じたブリー・ラーソンさんは、

『ショート・ターム』を観た時も思いましたが、

非常にリアルで、シリアスだけど

魅せられてしまう…物凄い役者さんです。

 

そしてジャックを演じたジェイコブ君。

その演技を一度見てしまったら釘付け…

目を離すことができません…

 

凄まじい作品でした!

劇場で観たかった…

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 評価 感想 レビュー ★★

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ハリー・ポッター』シリーズは娘と全て鑑賞済み。

シリーズ通して、それなりに楽しめていたので、

満を持して、家族で鑑賞。

 

しかし残念ながら、いまいち乗れず…

最後は3Dに疲れたのか、

不覚にも眠くなってしまいました。

 

意外にもストーリーについていけず、

それぞれのキャラクターが何をしようとしているのか、

分かりにくかった。

置いてかれてしまいました。

 

世界観の作り込みはさすがで、

登場するビーストもそれなりに面白いのですが…。

ハリー・ポッター』の1作目を観た時のような、

ワクワクする感じ、

凄い映画が登場した!っていう高揚感は、

個人的には感じられませんでした。

聖の青春 評価 感想 レビュー ★★★★

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棋士の世界。

特異な勝負師の世界を、

スクリーン上に忠実に再現した良作。

ノンフィクションならではの静かな感動は、

ハドソン川の奇跡』を見た後の充足感と似て、

じわーっと余韻が広がります。

 

村山聖さんが長生きできていたら、とか、

健康だったら、とかいう仮定は、

一切意味を持たないのだと思いました。

 

幼い頃から重病を患ったから、

村山聖さんは将棋に出会った。

将棋があったから村山さんは限られた人生を、

生き抜くことができた。

青春の全てを将棋に注ぎ込むしかなかったから

強かった。

そして、人生丸ごと賭けた挑戦を受けて立てる

羽生さんという壁が、同世代に存在した。

 

それが奇跡的なことであることを、

一番深く分かっていたのが、

盤を挟んで対峙した羽生さんだったのでしょう。

激戦の末、

村山さんが力尽きたように落手した時に、

東出・羽生善治さんが流した涙には、

心を強く揺さぶられました。

二人は盤上で、命を賭けた対話を、

繰り広げていたのでしょう。

そこにはどんな景色が広がっていたのか?

二人にしか、知ることが許されない世界です。

 

村山さんが亡くなった後、対局に臨む

羽生さんの短いシーンが印象に残りました。

村山さんの人生を背負い込み、

さらなる孤高の領域に到達した羽生さん。

百年に一人の天才と言われる

羽生さんにとってこそ、

人生の全てを賭して挑んでくる村山さんは、

なくてはならない存在だったのでしょう。

 

松山ケンイチさんと、東出昌大さんは、

見た目や、話し方、仕草などを手掛かりに、

極限を共有した人たちの、心の動きに、

迫る演技をしていたと思います。

 

精一杯生きることの意味を、

深く問いかけてくる映画でした。