超・私的な目線から、人の多様性を貫く。
人は見た目から想像できる所もあるし、
想像できない所もある。
人は何かを表現しようとしているし、
何かを隠そうともしている。
時にその二つは絡み合ったり、
交錯したりしている。
そんな人の姿が、そのまんま
個人の目線で描かれているから、
置いていかれる部分もあった・・・
あ、そうだったのか!と。
でもそれで良いのだと思う。
でも、もう一回見たい。
監督バリー・ジェンキンスの
研ぎ澄まされた視点に、
唸らずにはいられない作品。
しかし人って、つくづく弱い、
硝子細工のような存在なんだなと
改めて思う。
みなが安住の場所を探しているのに、
なかなかうまくいかないよね、って。
自分が何となくしか意識していなかった
心のひだに触られた感じ。
やさしく美しく汲み取ってくれてありがとう!
と言いたい。
しかし、この作品が
アカデミー賞作品賞を受賞する所に、
まだまだアメリカ社会のパワーを感じる。
または、それだけ危機感が募っているのか…
今の時代に、より価値を感じる作品でした。