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最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

【レンタル】セッション 評価 感想 レビュー ★★★★★★

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 娘が4~5歳のころ、節分の季節になると必ず、

父は鬼にあったことがあるか?と聞かれた。

いつも『2~3回あったことがあり、父が勝った』

と答えていた。

娘に伝えたかったのは、人生には必ず、

「鬼」としか思えないものと遭遇する時があり、

その「鬼」を克服できたかどうか、が

その後の人生を大きく左右するということだ。

 

その点、この映画は非常にリアルだ。

何者かを志すものが、

必ず直面する典型的な鬼が出てくる。

『孤独』という鬼。

絶対的な『権力者』という鬼。

『障害』や『怪我』、『病』という鬼。

そして芸術家を志す者にとって

克服すべき最強の鬼、

それが『感性』だ。

自らを信じることを諦めない者が

血の滲むような格闘の末に、

確信できる、センスだ。

 

今のはやりの言葉で言えば、

この映画は「パワハラ」の映画だ。

もう終始パワハラ

ただ、パワハラを受ける生徒が、

音楽家として金をとるプロを目指すなら、

この鬼に勝たなければならない。

普通ではない、鬼気迫る演奏だから、

客は金を払うのだ。

まして、そこに

傑出した音楽家を見出そうとするならば、

見出す側もそれなりの狂気を

纏わなければいけない。

本当の鬼にしか、新たな鬼を見出せないのだ。

 

芸術家は鬼を倒すことで頭角を現す。

倒される方にも覚悟がいるのだ。

パワハラ禁止となってしまえば、

現代社会では「自由のびのび」みたいな

骨がない芸術ばかりが蔓延るだろう。

鬼が鬼を生む、時代を超えて進化する

真の芸術は廃れてしまうのだ。

 

しかし、J・K・シモンズと、

マイルズ・テラーはともに、

本物の音楽家にしか見えない。

鬼と鬼の闘いも本当にリアルだ。

彼らの鬼気迫る演技を導き出した

デミアン・チャゼルは、間違いなく

パワハラという言葉が嫌いなはずだ。

 

鬼気迫る映画が今も生まれていることに、

そして音楽という芸術の包容力に、乾杯!