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最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

聖の青春 評価 感想 レビュー ★★★★

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棋士の世界。

特異な勝負師の世界を、

スクリーン上に忠実に再現した良作。

ノンフィクションならではの静かな感動は、

ハドソン川の奇跡』を見た後の充足感と似て、

じわーっと余韻が広がります。

 

村山聖さんが長生きできていたら、とか、

健康だったら、とかいう仮定は、

一切意味を持たないのだと思いました。

 

幼い頃から重病を患ったから、

村山聖さんは将棋に出会った。

将棋があったから村山さんは限られた人生を、

生き抜くことができた。

青春の全てを将棋に注ぎ込むしかなかったから

強かった。

そして、人生丸ごと賭けた挑戦を受けて立てる

羽生さんという壁が、同世代に存在した。

 

それが奇跡的なことであることを、

一番深く分かっていたのが、

盤を挟んで対峙した羽生さんだったのでしょう。

激戦の末、

村山さんが力尽きたように落手した時に、

東出・羽生善治さんが流した涙には、

心を強く揺さぶられました。

二人は盤上で、命を賭けた対話を、

繰り広げていたのでしょう。

そこにはどんな景色が広がっていたのか?

二人にしか、知ることが許されない世界です。

 

村山さんが亡くなった後、対局に臨む

羽生さんの短いシーンが印象に残りました。

村山さんの人生を背負い込み、

さらなる孤高の領域に到達した羽生さん。

百年に一人の天才と言われる

羽生さんにとってこそ、

人生の全てを賭して挑んでくる村山さんは、

なくてはならない存在だったのでしょう。

 

松山ケンイチさんと、東出昌大さんは、

見た目や、話し方、仕草などを手掛かりに、

極限を共有した人たちの、心の動きに、

迫る演技をしていたと思います。

 

精一杯生きることの意味を、

深く問いかけてくる映画でした。