最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

五島のトラさん 評価 レビュー 感想 ★★★★

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 この映画を観ながら、強く感じたのは、
「保守」って、本来きっとこういうことなんだろうな、ということでした。 

自然、地域、そして家族に価値を置き、
それらのために一生懸命働き、
生きることこそが、人生の普遍的な価値なのだと。

トラさん夫婦は、これを地で実践していく。

夫婦は常に連れ添っていて、
子どもをたくさんつくり、
家庭のために働く。
子ども達にも手伝わせることで、
家族のために助け合うことの
重要さを教えていく。 

子どもは7人いて、それぞれ個性がある。
長男長女は、
比較的トラさんの価値観に従順だが、
次女は反発し、
家を離れ個性を発揮したいと考える。

基本的に、保守であることは、息苦しく、
子ども達も、立場や、個性から
いろいろな道を選んでいく。
それが世の中の理であり、
だから世の中は進化していく。 

それでもトラさんは、見守りながら、
機会を見つけて口を出し、自らの背骨である、
普遍的な価値を伝え切ろうとする、

その価値を子ども7人に伝えることこそ、

トラさんの生きる意味だからだ。
子どもが社会に出るまでに、
人間としての背骨がしっかりさせることが、
親が全うすべき責任であり、
それさえしっかりしていれば、
子どもは、きっと幸せに生きていくことが
できると確信しているからだ。

 

トラさんは病床で、
自分は優しい父だったと振り返る。
そして、子ども達は、これからは自由に
やりたいことをすればいい、という。

反発していた次女も、父がいるから
「悪いことはできない」という。
そして、厳しかった父を、
「優しかった」という。

子どものために生きた人生だから、伝わるのだ。
当然なのだろうが、トラさんが、それを確信していることを知った時は、ハッとさせられた。

トラさんの短い生涯で心残りがあったとすれば、
末っ子の世文くんが、まだ社会で完全に
独り立ちしていなかったこと。
そして、妻を残して先立つことだろう。 

でも、その後も、大丈夫そうだ。
長男や長女は、母を守りながら
トラさんの考え方を、より進化させていく。
前向きに保守的な生き方を選び、
地域をも守っていく。

世文くんには、6人の兄弟姉妹が、
人生で大切なことを教えてくれる。
見守る親族、地域もある。
一番幸せな人生を歩んでいけそうだ。

こんな家庭や地域を築いたトラさんは、
やはり、大きい存在だと思う。

 

翻って、自分のことを考えると、
個人主義、個性主義にどっぷり浸かって生きてきた。
それでも、今では人の親。
子どもにとって越えるべき、
良き壁となってあげることは、
そう簡単なことではない。
一生賭けて為すことなのだと思い知らされた。

離れて暮らす両親に、たまには連絡しよう…