誰を裁くのかは、誰が決めるのか? この映画の最大のテーマであり、 その答えは、怖いものだ。 考えれば考えるほど人ごとではなく、怖いものだ。 人には本当に、人を裁く資格を持ち得るのだろうか? 役所広司さんは「器」のような役者さんだ。 自らを滅する…
映像の世界に携わる者であれば 感服せざるを得ない作品。 一度、その世界に入ってしまえば もう途中で逃げ出すことは出来ない。 ストーリーの登場人物と共に、 窮地から逃げ切るしかないのだ。 セリフによる状況説明はほぼ無い。 セリフ自体、ほとんど無い。…
世界最大の民主主義国家、インドはどこへ向かうのか?ちょっとインドについて勉強中でまだ見てなかった名作を手に取りましたが、インド社会の現状が、よく映し出されていたものと思います。 兄弟を主役とし、明暗を分割することで、単なる夢物語に留まらない…
評価不能!こんな映画初めて。 ただ鑑賞後、スペインのマドリードで見た ピカソの『ゲルニカ』を思い出した。 戦場の生命力がデフォルメされたような人たち。 そして、戦争の犠牲になる哀れな動物たち。 生命力や多様性を感じるほどに、 戦争の不条理を感じ…
『理由は聞くけど、気持ちは聞かない』 40代で小学生の娘を持つ身として、 そして、タバコがやめられない喫煙者としても 徹頭徹尾、身につまされる映画でした。 そして、本当に素晴らしい映画でした。 『淵に立つ』が受け入れられなかった私にとって、 そ…
悲惨な戦争の実態、、と言うよりは、 過酷な状況で成長を強いられた子どもたちの ロードムービー。 すごく真っ直ぐな映画だが、 子どもの純真さと、戦争の対比に、 フランス映画らしいメタファーが 散りばめられていて、そのテンポが秀逸。 ラストシーンは完…
エンタメ映画の本場、香港から このように“混乱した”映画が送り出されることに、 香港が今、陥っている危機の深さを実感しました。 かなり前知識ある状態で見ましたが、 映画自体はちょっと辛かった… 長く感じてしまいました。 やはりオムニバスの映画で、強…
小学生の娘のリクエストで吹替版を鑑賞。 誰もが知る物語であることを逆手に取り、 この映画ではストーリー上の、 細かな整合性を合わせることよりも、 夢の世界の再現や、 そこで楽しむことに振り切っている。 細かな描写よりも、大胆で、ダイナミックで、 …
8年越しの日本公開! 舞台挨拶ありとのことで、 初日初回を観てきました! 瑞々しくて、どこか懐かしい、 どこまでも優しい映画でした。 最初はストーリー進行が独特で、 違和感もあったのですが、 見進めていく内に、ストーリーと意識が ビタッと合致。 す…
巨匠が真正面から描いた今そこにある危機。 一昔?ふた昔?前なら テレビ番組のドキュメンタリーとか ニュース番組の特集でみるべきテーマだが、 今ではすっかり目にしなくなったテーマだ。 ニュースとしても売れるテーマでは なくなってしまったのだ。 それ…
週末に娘のリクエストで鑑賞… 一言で言えば身につまされます。 職場でデスクワークで 幅を利かせていたりすると、 確実にこうなっていきますよね… 残念ながらほぼ全編、 父親への厳しい視線で貫かれております笑。 会話もリアル。 サバイバル状況でなくても……
超・私的な目線から、人の多様性を貫く。 人は見た目から想像できる所もあるし、 想像できない所もある。 人は何かを表現しようとしているし、 何かを隠そうともしている。 時にその二つは絡み合ったり、 交錯したりしている。 そんな人の姿が、そのまんま …
日本人が真に「体験」すべき戦争映画! 何の前知識もなく鑑賞しましたが… それは驚愕の映画体験でした。 塹壕に火炎放射器。 これまで語られてきて、 知った気になっていた戦争を 裏側から見たら、こうなっていた。 戦闘シーンは、既に鑑賞などと呼べる代物…
娘が4~5歳のころ、節分の季節になると必ず、 父は鬼にあったことがあるか?と聞かれた。 いつも『2~3回あったことがあり、父が勝った』 と答えていた。 娘に伝えたかったのは、人生には必ず、 「鬼」としか思えないものと遭遇する時があり、 その「鬼…
全然洒落になってない。 コメディーかと思ってみたら・・・ 悲鳴が聞こえてきた。 ドイツ社会の抱える毒が噴出する衝撃作。 しかも「ヒトラー」そっくりさんに対する 多くの市民の、おそらく生の反応が ふんだんに盛り込まれていて、 テレビ局の局長争いとい…
問題の「文書」を作成したのは誰か? 動機を持ち得るのは何組かいて、 その能力を持ち得る人も限られている。 しかし真相は闇の中だ。 「文書」を作成し得るものの中に、 真相に迫った取材班自身も含まれる。 しかし、敢えて言えば、そのことは、 この映画の…
とにかく元気が出る! 初日の一発目で鑑賞。 お客さん入ってました。 期待通りの見応えで、 希望と勇気が蘇る感じ。 美しい映像とダンス、音楽のパワー 会話の楽しさを存分に堪能できます。 理屈が入り込む余地なし。 映画館を出て歩き出す時、 きっと多くの…
レゴムービーというものを初めて見ましたが、 その展開のスピードの速さ! その中に驚き・笑いから感動まで すごいテンポで入れてきます。 いまの子供たちはこのノリを 普通に楽しむのか!と驚きました。 全然ジャンル違いますが、 昔「ドーベルマン」という…
ウディ・アレンが紡ぎだす極上の郷愁! ゴールデンエイジと呼ばれる1930年代の ハリウッドとニューヨーク。 精神的にも、もしかしたら物質的にも、 おそらく今より豊かだった時代を背景に、 万民共通の「ほろ苦い恋愛」を描く。 郷愁というものを受け入…
いわゆる、愛と欲望と裏切りのサスペンス、を 手加減なしで、思い切りつくったら こんなんできちゃいました!って感じ。 そのトコトン振りが世界に衝撃を与えている のだと思いました。 韓国映画パワー、健在です。 役者さん、特に女優二人の存在感が 際立っ…
きょうは、予約しないと、どこの映画館も 入れないほどの人気ぶり。 それも、普段は絶対に選ばない1列目とか、 2列目しか空席がありませんでした… 予約せずに映画館に来て、 打ちひしがれている人も 多く見受けられました。 で、映画の内容についてですが…
恥ずかしながら原作未読。 外国人宣教師の「棄教」をめぐる葛藤を縦軸に、 アミニズム、八百万の神を尊ぶ日本文化を、 外国人視点で斬る、異色の超大作でした。 スコセッシ監督が日本の文化を深く理解した上で、 外国人から見た驚きを次々と挿入していくので…
試写会で鑑賞。 新年早々、非常に痛い所を突かれた映画。 商業的に大きく成功することは難しいと思うが、 そこに価値があると思う。 感じたのは「和して同ぜず」は本当に難しい、 ということ。 ミルグラム実験が明らかにしたのは、 多数派は自己の判断より、…
機内で鑑賞。 愛と打算、打算と愛の物語か。 資産家で芸術活動のパトロンである マダム・フローレンス。 夫のシンクレアも、伴奏者となったコズメも、 それぞれ、打算があってフローレンスに近づいた。 音痴だが歌を愛するフローレンスが、 その夢を叶えられ…
「先行」に負けて機内で見てしまいましたが、観るなら間違いなく映画館で観るべき映画… ただ個人的には『七人の侍』や『荒野の七人』を超える要素は特に感じられず。デンゼル・ワシントンの、無駄な動きがない銃さばきが、カッコイイ!こだわりを感じる!と…
遅ればせながら機内で鑑賞。 ブリジット・ジョーンズの日記シリーズを観るのは、 実は今作が初めて。 なので、ちゃんと理解できているか分かりませんが、 描かれているテーマは、ブリジット・ジョーンズの “ナルシシズムとのお別れ”かと。 ブリジット・ジョ…
社会性と個性の関係性を、 この上ない形で、世に示した傑作。 個の精神の健全性を脅かすのは、常に社会であり、 精神の傷を癒やせるのも、また社会だけだ。 統合失調症の患者は、他者との関わりの中で、 何らかの傷を負い、心を閉ざす。 その方法は、自らの…
生まれることは素晴らしく、 生きていることは素晴らしい。 それを「人間の尊厳」と呼ぶ・・・ この映画は、そんな根源的な問いを、 観ている人に真剣に考えさせてしまう。 それも、全く思わぬ角度から。 そして、とても難しい角度から。 「ルーム」はママか…
『ハリー・ポッター』シリーズは娘と全て鑑賞済み。 シリーズ通して、それなりに楽しめていたので、 満を持して、家族で鑑賞。 しかし残念ながら、いまいち乗れず… 最後は3Dに疲れたのか、 不覚にも眠くなってしまいました。 意外にもストーリーについてい…
棋士の世界。 特異な勝負師の世界を、 スクリーン上に忠実に再現した良作。 ノンフィクションならではの静かな感動は、 『ハドソン川の奇跡』を見た後の充足感と似て、 じわーっと余韻が広がります。 村山聖さんが長生きできていたら、とか、 健康だったら、…