最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

blank13 評価 感想 レビュー ★★★★

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ニューヨークの日本映画祭で鑑賞。

前半は割と好きな感じだったのですが、

後半のお葬式は、かなり佐藤二朗さんの

お馴染みの回し頼みだなー、

なんて思ってました。

その後、齋藤工監督に

直接お話しを伺う機会があり、

佐藤二朗さんの良くある感じについて

演出意図を尋ねたところ、

最初から佐藤二朗さんの“いつもの感じ”を

知らない海外の観客を意識して、

演出したとのこと。

日本のマーケットだけを考えると、

あの人は、前にこんな役をやってたから…とか、

余計な要素が入ってきてしまうと。

日本にもこんなに面白いタレントがいるんだぞ!

と海外の人に向けて作った方が、

映画づくりとして純粋だ!とのお答えで、

妙に納得したのですが、

今日NYで、万引き家族を見て、

樹木希林さんの演技にNYの観客が

偉く感銘を受けているのを見て、

改めて齋藤工監督の話を思い出し、

筆をとった次第です。

因みに齋藤工さんに話を聞いたのは、

万引き家族のカンヌ快挙の直後でしたが、

齋藤さんは、日本の若い監督たちは、

万引き家族を真似するのではなく、

カメラを止めるな、を目指すべきだ‼︎

と力説していたのが印象的でした。

カメラを止めるな、早く見たいのですが、

NYで上映してくれないかな…

万引き家族 評価 感想 レビュー ★★★★★

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ニューヨークの映画祭でやっと鑑賞。

所々で大きな笑いが起き、拍手も。

日本の観客より演出に対してダイレクトに

反応している印象。

リリーフランキーさんはもちろん、

樹木希林さん、松岡茉優さん、

安藤さくらさん、

そして二人の子役の存在感と演技が、

完全に観客の心に刺さっていました。

 

凄く散らかっていて、

花火も見えないほど、

見通しが悪い庭だったけど、

海街diary』と同じ居間の風景。

家族のカタチがそこにはありました。

家族の絆を生み出すモノは何なのか?

監督人生を賭けて、繰り返し

挑んできたテーマだからこそ、

海外の人にも響く力を持ち得て、

今回の受賞に繋がったんだなー

と思いました。

おめでとうございました!!

三度目の殺人 評価 感想 レビュー ★★★★★

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誰を裁くのかは、誰が決めるのか?

この映画の最大のテーマであり、

その答えは、怖いものだ。

考えれば考えるほど人ごとではなく、怖いものだ。

人には本当に、人を裁く資格を持ち得るのだろうか?

 

役所広司さんは「器」のような役者さんだ。

自らを滅することで、誰にでもなる。

今回は「三隅」という一人の人物の中に、

殺人鬼と、聖人、そしてただの凡人という

三人の人物を同居させることに成功している。

心の片隅から、

それぞれの側面が浮かび上がってくるような

素晴らしい演技だ。

 

そして監督はもう一つ、仕掛けていたのでは。

それは、答えは一つということだ。

事実だけを積み上げたらどうなるか。

事実だけを求めて矛盾を解けば

行き着く所は一つなのでは。

物証が示す事実だけを見つめ、

行動の合理性から外れる供述を省き、

人を殺めるだけの動機はなかなか無いという

原則に立ち戻るだけだ。

 

でも、それは難しいのだ。

大小様々な人の思惑は、

事実をどんどんどんどん曇らせていくのだ。

 

人間というはっきりしないもの。

割り切れないものを真正面から描いた名作かと!

 

ダンケルク 評価 感想 レビュー ★★★★★

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映像の世界に携わる者であれば

感服せざるを得ない作品。

一度、その世界に入ってしまえば

もう途中で逃げ出すことは出来ない。

ストーリーの登場人物と共に、

窮地から逃げ切るしかないのだ。

 

セリフによる状況説明はほぼ無い。

セリフ自体、ほとんど無い。

主観目線で進む逃亡劇と、

空からの援護射撃、

海からの救援。

三つのストーリーが並行的に進むことで

観客は置かれている状況を理解する。

ワイドかつ奥行きがある映像で

あっという間に戦場に引き込まれる。

CGに頼らず、見え過ぎない映像。

かつ、動いてる近くの映像と、

どロングで追わない映像を重ねる構築が、

非常にリアルで、豪華とも言える世界観を醸し出す。

 

窒息しそうな切迫した映像に息苦しくなる。

戦場のノイズと相まった音効が、

少しも心を休ませてくれない。

 

臨場体験は観客に多くのことを理解させる、

戦場の残酷さ。

慈悲の価値。

自然の雄大さ。

そして、日常の美しさ。

客に帰還兵体験をさせてしまう、

それだけで価値がある、

凄まじい映画でした… 

スラムドッグ💲ミリオネア 評価 感想 レビュー ★★★★★★

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世界最大の民主主義国家、
インドはどこへ向かうのか?
ちょっとインドについて勉強中で
まだ見てなかった名作を手に取りましたが、
インド社会の現状が、よく映し出されていたものと思います。


兄弟を主役とし、明暗を分割することで、
単なる夢物語に留まらない深みがあります。
クイズに何故答えられたのか、
というストーリー構築も見事。
またストーリーの底流にある
変わるインドと、変わらないインドの
コントラストが哀しくもあります。
全編を通して、非常にクリアなメッセージが
伝わってきました。


よい表現者の視座は、常に映画の冒頭に
露見するものと思いますが、
この映画では、スラム街での追いかけっこ。
うんこまみれ。
そして、宗教的な対立で、
敢え無く殺されてしまう母親が
それだったと思います。


しかし、ボリウッドでは、役者など
イスラム系の影響力が大きいのでしょうか?

オン・ザ・ミルキー・ロード 評価 感想 レビュー ★★★★

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評価不能!こんな映画初めて。

ただ鑑賞後、スペインのマドリードで見た

ピカソの『ゲルニカ』を思い出した。

戦場の生命力がデフォルメされたような人たち。 

そして、戦争の犠牲になる哀れな動物たち。

生命力や多様性を感じるほどに、

戦争の不条理を感じる、その感覚だ。

 

しかし、死と隣り合わせの戦場にも、

愛や執着があり、音楽があり、ダンスもある。

それらが、映像も、音楽も、ストーリーも、

全て、ごちゃ混ぜで出てくる感じは、

平面入魂のゲルニカを超越し、

もはや評価の領域の外に飛び出していく。

破茶滅茶なストーリー(ファンタジー)の

行方をただただ追うことしかできない。

 

芸術とは感じることか。

背景への深い理解、

土着の背骨を持たない人間が、

どこまで感じられるものなのか、判断つかない。

ただただ圧倒された2時間でした。

しかし、動物の演技が凄まじい。

幼な子われらに生まれ 評価 感想 レビュー ★★★★★★

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 『理由は聞くけど、気持ちは聞かない』

40代で小学生の娘を持つ身として、

そして、タバコがやめられない喫煙者としても

徹頭徹尾、身につまされる映画でした。

そして、本当に素晴らしい映画でした。

『淵に立つ』が受け入れられなかった私にとって、

それ以来の浅野忠信さんでしたが、

私にとっては、これぞ“怪演”!

日常生活に潜む複雑さと危うさを、

リアルに表現していた。

日常を保とうとする、田中麗奈さんも好演!

宮藤官九郎さんも怪演!

一瞬にして、全てを理解させる寺島しのぶさんも、

素晴らしかった。

三人の「娘」たちも複雑な心情を表現していて、

かつ、リアルだった。

 

心情を暗喩する、様々な道の車窓。

天気の変化。

淡々としたリズム重視の音楽。

心情が決定的に変化する時の役者の表情と、

ノイズを完全にサイレントにする音効も、

非常に効果的だった。

 

原作、脚本、アドリブ会話、

きっちり撮る絵と、流れに任せる絵。

全てが高い次元で調和して、

二度と撮れないレベルまで高められていた。

 

そして、家族でいることの意味を描いていた。

日本の家族の今を切り取った、

三島有紀子監督の手腕に脱帽です。