最新映画見てきました!

最新映画を中心に感想を書いていきます。評価は★の数で!自分が満足しそうな映画を中心に見て、その中での相対的な評価ですので、基本的に★★★以上はおススメです!

オン・ザ・ミルキー・ロード 評価 感想 レビュー ★★★★

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評価不能!こんな映画初めて。

ただ鑑賞後、スペインのマドリードで見た

ピカソの『ゲルニカ』を思い出した。

戦場の生命力がデフォルメされたような人たち。 

そして、戦争の犠牲になる哀れな動物たち。

生命力や多様性を感じるほどに、

戦争の不条理を感じる、その感覚だ。

 

しかし、死と隣り合わせの戦場にも、

愛や執着があり、音楽があり、ダンスもある。

それらが、映像も、音楽も、ストーリーも、

全て、ごちゃ混ぜで出てくる感じは、

平面入魂のゲルニカを超越し、

もはや評価の領域の外に飛び出していく。

破茶滅茶なストーリー(ファンタジー)の

行方をただただ追うことしかできない。

 

芸術とは感じることか。

背景への深い理解、

土着の背骨を持たない人間が、

どこまで感じられるものなのか、判断つかない。

ただただ圧倒された2時間でした。

しかし、動物の演技が凄まじい。

幼な子われらに生まれ 評価 感想 レビュー ★★★★★★

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 『理由は聞くけど、気持ちは聞かない』

40代で小学生の娘を持つ身として、

そして、タバコがやめられない喫煙者としても

徹頭徹尾、身につまされる映画でした。

そして、本当に素晴らしい映画でした。

『淵に立つ』が受け入れられなかった私にとって、

それ以来の浅野忠信さんでしたが、

私にとっては、これぞ“怪演”!

日常生活に潜む複雑さと危うさを、

リアルに表現していた。

日常を保とうとする、田中麗奈さんも好演!

宮藤官九郎さんも怪演!

一瞬にして、全てを理解させる寺島しのぶさんも、

素晴らしかった。

三人の「娘」たちも複雑な心情を表現していて、

かつ、リアルだった。

 

心情を暗喩する、様々な道の車窓。

天気の変化。

淡々としたリズム重視の音楽。

心情が決定的に変化する時の役者の表情と、

ノイズを完全にサイレントにする音効も、

非常に効果的だった。

 

原作、脚本、アドリブ会話、

きっちり撮る絵と、流れに任せる絵。

全てが高い次元で調和して、

二度と撮れないレベルまで高められていた。

 

そして、家族でいることの意味を描いていた。

日本の家族の今を切り取った、

三島有紀子監督の手腕に脱帽です。

少女ファニーと運命の旅 評価 感想 レビュー ★★★★

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悲惨な戦争の実態、、と言うよりは、

過酷な状況で成長を強いられた子どもたちの

ロードムービー

すごく真っ直ぐな映画だが、

子どもの純真さと、戦争の対比に、

フランス映画らしいメタファーが

散りばめられていて、そのテンポが秀逸。

ラストシーンは完全に想像つきますが、

それでも涙。

映像の撮り方がオーソドックスに見えて、

微妙に気が利いてる。

表現に忠実な映像にパワーあり!です。

十年 評価 感想 レビュー ★★★★

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エンタメ映画の本場、香港から

このように“混乱した”映画が送り出されることに、

香港が今、陥っている危機の深さを実感しました。

 

かなり前知識ある状態で見ましたが、

映画自体はちょっと辛かった…

長く感じてしまいました。

やはりオムニバスの映画で、強いメッセージを発するためには、

複数のストーリーから、一つのテーマを

浮き彫りにしていく強烈な意思と、

高い技術が必要で、

それさ、唯一の存在である監督のもとでなければ、

なかなか成立し得ないものだと認識しました。

 

それでも今作には非常に重要なメッセージがあり、

それは5人の監督とプロデューサーの

合作というカタチでしか、

成し得なかった挑戦だったと思います。

 

本当に惜しむらくは、

恐らく「冬のセミ」という作品が不要だった…

パッチワークで創るという作戦を選択した以上、

一つ一つのストーリーは、

明確な断片を描いて欲しかった。

「冬のセミ」以外は、

それはうまく行っていたと思う。

または「冬のセミ」を最後にして欲しかったが、

恐らく抽象的過ぎて、最後には置き辛かったのでは…

 

ぜひ、気鋭の監督たちには、

世界に訴える新たな“武器”の創作を

続けていただけることを期待したいし、

そういう環境が続くことを祈りたいです。

エールを込めて、四つ星に。 

美女と野獣 吹替版 評価 感想 レビュー ★★★★

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小学生の娘のリクエストで吹替版を鑑賞。

誰もが知る物語であることを逆手に取り、

この映画ではストーリー上の、

細かな整合性を合わせることよりも、

夢の世界の再現や、

そこで楽しむことに振り切っている。

細かな描写よりも、大胆で、ダイナミックで、

華麗な動きづくりに心血を注いでいる。

その世界観を実現するための中核が、

エマ・ワトソンさん、という感じ。

大人になっても、誠実そうで、

芯が強そうな目力は少しも衰えず、

独特の華があり、かのハリポタシリーズも、

やはり彼女あってこその人気だったのだと、

改めて、存在の強さを思い知らされました。

 

吹替版で良かったのは字幕を追わないため、

映像の放つ世界観に没入できること。

一方、エンドロールで原曲が流れると、

その力強さに初めて気付くといった感じで

一長一短あるかなと思いました。

そんなに難しい話ではないのと、

やはり歌が多いので、ある程度、

耳で英語のセリフや歌詞を楽しめる方は、

当然ではありますが、字幕版をオススメします。

 

最後に時節柄、世界中の人、

特に子どもが見るディズニー映画は、

これからも、今作のように、

多様性の美しさ、多様性への寛容さを

訴え続けてほしいと心から思いました。

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タレンタイム 優しい歌 評価 感想 レビュー ★★★★

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8年越しの日本公開!

舞台挨拶ありとのことで、

初日初回を観てきました!

瑞々しくて、どこか懐かしい、

どこまでも優しい映画でした。

最初はストーリー進行が独特で、

違和感もあったのですが、

見進めていく内に、ストーリーと意識が

ビタッと合致。

すると、その世界観に引き込まれ、

すっかり浸り始めた時に幕が下りた感じでした。

 

↓ 舞台挨拶で話す歌手のアディバ先生

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 懐かしさの所以はどこにあるのか。

舞台挨拶の時にチャンスがあったので、

ヤスミン監督が影響を受けた監督は誰か、

聞いてみました。

アディバさんは「知らない」とのこと

でしたが、司会の方が、

ヤスミン監督が好きな映画は、『街の灯』。

好きな監督は・・・

山田洋次さん、小津安二郎さん、

ウォン・カーウァイさん、

アッバス・キアロスタミさん

ときたので、すごく納得。

正にそれらの監督が持つ特徴が

ところどころで感じられました。

 

なんとなくジグザグ道が出てくるけど、

デートの描き方はすごくおしゃれ。

各家庭の描き方が、すごく優しかったり、

親に威厳があってシリアスだったり。

また、あるあるという細かい笑いを

随所に織り交ぜていたりと、

アジアの巨匠たちの感性が、ゆるーく、

適度にミックスされている感じ。

他民族国家のマレーシアならではです。

それが瑞々しくて、懐かしい、

あの感じの正体かと、凄く納得しました。

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↑ 舞台挨拶後も映画館外で客と話すアディバ先生

 

アディバ先生は、劇中、

マツコ・デラックスのような存在感。

拍手を促すしぐさがツボでした!

 

しかし、映画×音楽の力は素晴らしい。

ギターソロと二胡のセッションはもちろんですが、

歌えなくなる彼女と、喋りすぎた?彼の

シーンは映画好きなら思わず唸る

傑出したシーンかと思いました。

映画と音楽に乾杯であります。

わたしは、ダニエル・ブレイク 評価 感想 レビュー ★★★★★

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巨匠が真正面から描いた今そこにある危機

一昔?ふた昔?前なら

テレビ番組のドキュメンタリーとか

ニュース番組の特集でみるべきテーマだが、

今ではすっかり目にしなくなったテーマだ。

ニュースとしても売れるテーマでは

なくなってしまったのだ。

それをテレビの商業主義のせい…とするのは

短絡的過ぎるだろう。

見る人が少ないから、徐々にやらなくなるのだ。

 

この映画で、ダニエル・ブレイクと

その周囲の人々は皆、

素晴らしい互助の精神を発揮している。

実はそれこそが今の現実社会には

無いものなのではないか。

個人一人ひとりの考え方の集合が、

やはり政策に反映されているのではないか。

 

ダニエル・ブレイクが失意の末に描いた落書き。

あれこそ政治活動だ。

おかしい!と思う人が声を挙げ、連合できれば、

政治も、その声を無視できなくなるはず。

でも、誰も闘っていない。

無関心だ。

その現実を見兼ねて、

巨匠ケン・ローチは引退宣言を撤回し、

この作品を描いたのでは。

 

映画は全く商業的ではない。

事実、試写会のように広告なしの上映だ。

既に名声を獲得した巨匠が、

巨匠にしかできないやり方で

真正面から訴えた危機。

そこには、一流の芸術のみが持ち得る

深さと、切れ味があった。